空調や照明の消費電力を抑える調光ガラスを実現するための技術として、Nittoの技術資産であるエレクトロクロミック技術や制御装置技術について紹介します。Nittoのエレクトロクロミック技術を活用し、より環境にやさしい省エネ空間を実現し、他社との差別化を図りませんか?
オフィスの省エネは、企業のコスト削減と環境保護の両面で極めて重要です。近年、エネルギーコストの上昇や環境意識の高まりにより、多くの企業が省エネ対策を強化しています。特にオフィス環境では、照明や空調のエネルギー消費が大きな割合を占めており、これらの効率化が求められています。実際に、オフィスビルの消費電力のうち、空調が約48.6%、照明が約23.1%を占めるとのデータも報告されています*1。
照明や空調のエネルギー対策の一例として、調光ガラス技術を導入することが挙げられます。自然光を最大限に活用しつつ、必要に応じてガラスの透明度を調整することにより、照明や空調の使用を最適化し、大幅な省エネ効果を実現できます。
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電流を流すことで酸化還元反応が起こり、ガラスの色や透明度が変化します。この反応は可逆的であり、電流を反転させることで元の状態に戻すことができます。エレクトロクロミック技術は、透明度の維持が可能です。
電圧をかけることで液晶分子の配向が変化し、ガラスの透明度が調整されます。電圧を切ると液晶分子がランダムに配置され、光が散乱されて不透明になります。PDLC技術は、瞬時に透明度の調整が可能です。
温度変化に応じてガラスの色が変化します。温度が上昇するとガラスが暗くなり、日射を遮断します。逆に、温度が低下するとガラスが透明になり、日射を取り入れます。この方式は、自動的に日射を調整し、冷暖房負荷を軽減するため、エネルギー効率の向上に寄与します。
微小な粒子が液体中に浮遊しており、電圧をかけると粒子が整列して光を通すようになります。電圧を切ると粒子がランダムに配置され、光を遮断します。この方式は、瞬時に切り替えが可能で、光の透過率を細かく調整できます。
特徴/技術 | エレクトロクロミック方式 | PDLC方式 | サーモクロミック方式 | SPD方式 |
---|---|---|---|---|
仕組み | 電流をかけると酸化還元反応で色や透明度が変化 | 液晶が電圧により整列し、透明度が変化 | 温度変化に応じて色が変化 | 微小な粒子が電圧により整列し、光の透過を制御 |
エネルギー効率 | 高い | 高い | 中程度 | 高い |
応答速度 | 数秒から数分 | 高速(ミリ秒単位) | 自然な温度変化に依存 | 高速(ミリ秒単位) |
用途例 | 建築、自動車、ディスプレイ | 建築、自動車、ディスプレイ | 建築、自動車 | 建築、自動車、航空機 |
調光ガラスを実現する技術の中でも、エレクトロクロミック技術は多くの優位性を持っています。
電流を流すときのみエネルギーを消費します。そのため、長時間にわたって色や透明度を維持する際はエネルギーを必要としません。
電流量により窓の透明度を調整できるため、日射をコントロールして室内の温度を調整することができます。これにより、空調の使用を減らし、エネルギー消費を削減することができます。
エネルギー消費の削減は、結果としてCO2排出量の削減にもつながります。特に大規模なオフィスビルや商業施設での導入により、環境負荷を大幅に軽減することが期待されています。
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Nittoは、エレクトロクロミック技術だけでなく、その技術を最大限に活かすための制御システムに関する知的財産も保有しています。当社の知的財産は、省エネ効果の最大化や快適な室内環境の創出に貢献できると考えています。特に下記のような強みがあります。
スマートウィンドウ制御装置は、外部環境の予測データを基に窓の透過率を自動調整し、冷暖房の負荷を軽減します。調光素子も日射を効果的にコントロールし、エネルギー消費を削減することが可能です。
調光素子の設計により、曲面にも適用することが可能なため、様々な形状や用途に対応できます。これにより、建築物や車載やモビリティなど多岐にわたる分野での応用が期待されます。
スマートウィンドウ制御装置は、室内温度を最適に保ち、調光素子は室内の明るさを調整することで、快適な居住空間を実現します。
エネルギー効率の向上は、環境保護にも寄与します。Nittoの技術は、持続可能な未来を目指す上で重要な役割を果たします。
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Nitto独自のエレクトロクロミック技術に関する技術資産を活用することで、貴社の製品に付加価値を与え、収益向上に貢献できることでしょう。Nittoは、これらの開放技術の提供にも積極的に取り組んでいますので、本知財の活用をご検討されたい方は、ぜひお問い合わせください。
エレクトロクロミック技術は、エネルギー効率の向上や環境負荷の軽減に大きく貢献する先進的な技術です。Nittoのエレクトロクロミック技術や制御システムとの組み合わせにより、より環境貢献できると考えており、さまざまな分野での応用が期待されています。Nittoのエレクトロクロミック技術に関する知的財産に興味を持たれた方は、ぜひお問い合わせください。
技術知財戦略本部 第3知的財産部