自動運転技術、5G・6Gといった次世代高速通信技術が進化する現代において、電波を利用する機器は私たちの生活に不可欠な存在となっています。しかし、これらの機器に求められるのは、機能性だけではありません。製品のイメージに直結するデザインや、ユーザー体験を向上させる意匠性も、重要な要素です。
![]() 従来技術とNittoの技術の違い |
これまで、電波を透過させる機能と、金属調の美しい外観を両立させることは、技術的に大きな課題がありました。私たちNittoはスパッタリングのプロセス制御技術を用い、この課題を解決する技術を確立しました。それが、電波をスムーズに透過させながら、同時に可視光を反射させることで金属調の加飾層を付与できる、Nitto独自の電波透過性フィルムに関する技術です。 この技術のNitto保有特許活用を通じて、未来の製品デザインに新たな可能性を切り開きませんか? |
美しさと機能性を両立! 次世代通信を支える薄膜形成(スパッタ)技術Nittoの電波透過性フィルムは、製品に高級感と意匠性をもたらしながら、短波帯からマイクロ波帯、ミリ波帯(300kHz-3THz)までの広範囲にわたる電波を高いレベルで透過させる機能性を兼ね備えています。自動車のエンブレムやスマートフォンの筐体など、デザインが重視される部分に採用することで、製品の付加価値を向上させることが期待されます。 |
![]() 電波透過性加飾フィルムとナノオーダーのアルミ島状構造の様子 |
この機能と意匠性の両立を可能にしているのが、Nittoが長年培ってきた独自の薄膜形成技術です。特に、アルミニウムと下地との組み合わせ技術やプロセス制御技術により、ナノレベルで「島状」に配置するナノアイランド構造を成膜だけで実現。この微細な構造が、金属特有の美しい質感と、電波の入射角度に依存されにくく、高い透過性を維持できるという、一見相反する特性を両立させています。 また、フィルムのため、大面積かつ均一性の高い製品を安定して供給でき、量産性にも優れています。加飾成形に使用される易成形樹脂フィルムを基材として用いることも可能です。 |
電波透過性フィルムの加飾層には、アルミニウムを採用することで、締まった色味を実現し、製品に洗練された金属調の高級感を与えることができます。さらに、一般的な不連続膜材料であるインジウムと比較して、高い耐熱性も兼ね備えているため、自動車の車載部品など、高温に晒される環境下でも安定した性能を維持することが可能です。
このアルミニウム層が、電波の直進性を妨げることなく、スムーズに透過できるのは、前述の独自のナノアイランド構造によるものです。これにより、高速通信が求められる次世代のモビリティや通信機器において、電波の送受信を阻害することなく、その性能を最大限に引き出すことに貢献します。機能性とデザイン性を追求したこのフィルムは、未来の製品開発に不可欠な要素となることが期待されています。
Nittoの電波透過性フィルムの技術は、様々な分野での応用が期待され、未来の社会を支える基盤技術となることが期待されます。
自動車分野 | モバイル・通信分野 |
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自動運転に不可欠なミリ波レーダーのセンサーカバー、無線通信が活用されるドアハンドルや室内のカーナビ機器・CIDなどの筐体、エンブレムや加飾パーツなどの様々な部材としての活用が期待されます。 | 5G・6Gや対応のスマートフォンやタブレット、基地局アンテナの筐体など、高速・大容量通信を支えるキーデバイスとしての活用が考えられます。 |
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これらの具体的な応用例に留まらず、デバイス、さらには医療機器など、今後電波を利用するあらゆる製品において、私たちの技術が新たなデザインと機能の可能性を切り拓くことができると考えています。Nittoは、この技術の特許開放を通じて、より安全で快適な、そして豊かな社会の実現に貢献していきます。
スパッタに関する設備や技術、そして未来の製品開発に向けた構想をお持ちの担当者様、Nittoが長年にわたり培ってきた電波透過フィルムに関する知財の活用により、高付加価値製品の開発をしませんか。
Nittoの電波透過性加飾フィルムに関する保有特許一覧は下記の通りです。
特許番号 | リンク | その他情報 |
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JP7516707B2 | 特許情報リンク | ― |
JP7319080B2 | 特許情報リンク | ― |
JP7319077B2 | 特許情報リンク | ― |
JP6944425B2 | 特許情報リンク | ― |
JP6400062B2 | 特許情報リンク | ― |
※本ページの記載は2025年7月時点の情報に基づくものであり、特許の権利状況等は最新状況と異なる場合があります。
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技術知財戦略本部 第3知的財産部