Nittoが有する粘着技術はメディカル分野においても活用されている。その一つとして世界に先駆けて粘着テープ製剤(経皮吸収薬)の開発をおこなってきた。粘着テープ製剤はその粘着剤の中に薬を入れた製剤であり、体に貼ると薬が皮膚から吸収され、毛細血管に入り、血液に乗って全身に回る。結果として薬の効果が発現する。
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粘着テープ製剤においては薬物を粘着剤に含有させるだけでは不十分であり、過去の経皮吸収薬では、薬を長時間にわたって持続的に体内に入れることを求めて開発がなされてきた。粘着剤中に様々な成分を配合する技術はNittoの得意分野であるが、Nittoの開発者たちは、患者様により役立つ、一歩先を目指した製剤を求めた。つまり、持続的な投与だけではなく、さらに進化した経皮吸収薬として、必要な時に必要な量の薬を送達することができる製品の開発を目指し、実現させることを決意した。
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薬の放出速度は、使用する粘着剤の種類、粘着剤の厚み、含まれている薬の量や濃度が複雑に影響しあって決定される。
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目的を実現させるために大切なことは、よく考え、思い付いたことを実行に移すこと、またこれを何度も繰り返すことである。基本的に「ものづくり」とは汗を流し、手を汚して行う泥臭い仕事であり、決してスマートなものではない。またそうであるからこそ完成した時の喜びはひとしおである。
途中で壁にぶつかることもあるが、迷った時はとにかく自分の手でいろいろなことをやってみることである。机上では何も解決しない。
「世界に先駆けた製品」であっても、必ずしも、画期的なアイデアで突然生まれてくるわけではない。本開発の成功事例は「やってみないとわからない」という気持ちを常に持ち続けることが大切であることを、開発者たちに改めて教えてくれている。
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