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粘着テープの総合情報サイト Tape Museum

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第6章 合成高分子がもたらした転機 表面保護用粘着テープ(1)

テープの歴史館

表面保護用粘着テープ(1)新しい機能を持った「貼って剥がす」テープ

「巻くテープ」から機能を持った「貼るテープ」へ

モノとモノをくっつけたり、貼りつけたり、巻いたり……。
粘着テープを使うと、いろいろなことが可能になります。さらに、これらとはちょっと違った役割を果たしているものがあります。それが「表面保護用粘着テープ」です。

家電製品や携帯電話を新しく買うと、液晶画面やタッチパネル面、銘板などに、薄くて透明の粘着フィルムが貼ってありますね。傷がつかないよう保護しているのです。表面保護用粘着テープの身近な例です。

このテープ(フィルム)は、製造、保管、加工、取り付けの各工程で、剥がし取られるまで対象物の表面を保護します。しかも、次に紹介する「絞り加工性」をグンと高めることができます。

車社会の到来に呼応して誕生

そもそも、この粘着テープを誕生させたのは、自動車産業です。
1960年代(昭和30年代後半~昭和40年代前半)、日本では本格的な車社会が到来を告げていました。1961年には、大衆車として圧倒的人気を博したトヨタ<パブリカ>が登場。1966年には、モデルチェンジを重ねて現在も生産され続けているトヨタ<カローラ>、日産<サニー>といった代表的なファミリーカーが登場しています。

自動車のバンパーなどを立体的に成形するには、まず平らな鋼板を金型の上に置き、金型に沿ってプレス加工します。これを「絞り加工」と言います。圧力をかけて押して形をつくるのですから、鋼板の表面に傷ができます。そのため、後で電解研磨やバフ研磨で、傷を消す必要がありました。しかし、この研磨工程は、あきらかに非効率的でムダな工程です。

ビニルテープを鋼板に貼り、絞り加工の時につく傷を防止できないか」と考えたトヨタ自動車では、さっそく日東電工株式会社に試作を依頼しました。塩化ビニルは、ひっぱると伸びます。この特徴から、金属を加工する時の伸びに追従でき、鋼板の表面を保護できるのでは、と考えられたのです。
自動車メーカーと粘着テープメーカーとの協力によって、さっそく開発が始まりました。これが、表面保護用粘着テープ誕生のきっかけです。

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