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粘着テープの総合情報サイト Tape Museum

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第6章 合成高分子がもたらした転機 ビニル粘着テープ(2)

テープの歴史館

ビニル粘着テープ(2)製造時の課題と工夫

合成高分子ならではの問題点

「テープ用のフィルムをつくり、片面に粘着剤を塗布し、可能な限りフィルムを引き伸ばさないようにして乾燥し、冷却してボール芯に巻き上げ、所要の幅に切断し包装する」。

これがビニル粘着テープの基本的な製造工程です。簡単なようですが、数あるテープの中で最もつくりにくい製品の一つです。良好な品質を維持するためには、いくつかの問題点を克服しなければなりませんでした。その一つが、フィルムを柔軟にするためには欠かせない「可塑剤」です。

フィルムと粘着剤の両方に浸透してしまう可塑剤

高分子である樹脂粉末に低分子の液状可塑剤を混合して加熱ロールで練り上げると、つきたての餅のようになり、カレンダーロールで容易にフィルムやシートにすることができます。つまり、フィルムは、樹脂に可塑剤が溶け込んだゲル化物になっています。

粘着テープにするために、このフィルムに粘着剤を塗ります。すると、フィルム中の可塑剤が粘着剤の層に浸透してくるのです。可塑剤は、樹脂と粘着剤のどちらにもなじみやすく、両者の間に可塑剤の割合が平衡するまで移行します。その結果、粘着力は低下し、フィルムの柔軟性も減少する悪い状態になってしまいます。

このことは、ビニル粘着テープの開発者たちを大いに悩ませました。移行しにくい可塑剤もありますが、高価でした。そのため、あらゆる面からの解決方法が検討されました。

  • 最適な可塑剤を選択する
  • 粘着剤層にも可塑剤を配合しておく
  • フィルム層と粘着剤層との間に遮へい層を設ける

といった方法が講じられてきました。

さらに、ビニル粘着テープでの生産開発初期に開発者や生産者を悩ませたのが、次に紹介する「タケノコ現象」です。

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