粘着と接着
粘着と接着粘着テープはなぜ「つく」のでしょうか?
粘着剤と接着剤との違いは?
物を「つける」材料として、粘着剤の他に接着剤があります。私たちが「つける」道具として最もよく使っている糊は、接着剤です。接着剤の歴史は粘着剤よりも古く、種類もたくさんあります。
では、粘着剤と接着剤とは、どう違うのでしょう。
一番の違いは、接着剤が「使う前は液体で、貼り付けると固体になる」のに対し、粘着剤は「液体と固体の両方の性質を持ち、常に濡れた状態を安定して保っている」ことです。
1. 接着剤の特徴
物と物とが「つく」ためには濡れた状態が必要ですから、接着剤は液体です。しかし、液体のままでは力がかかった時に流れてしまい安定が悪いため、貼った後に液体から個体になるよう設計されています。固体になる方法は、乾燥、冷却、化学反応などがあります。たとえば、デンプン糊が固まるのは、乾燥するからです。瞬間接着剤の場合は、化学反応によって固まります。
2. 粘着剤の特徴
これに対して粘着剤は、常に濡れた状態を安定して保っています。そのため、すぐ「つく」ことが可能で、剥がすこともできます。基本的には、貼る前も貼った後も、べたべたした柔らかい状態に変化はありません。
3. 双方の特徴を持つ製品
粘着剤と接着剤、その双方の特徴を持った製品も開発されています。たとえば「最初は粘着剤で、貼った後に接着剤のように固まる」といったタイプなどがあり、特殊な用途に使われる場合が多いようです。
一般的には、双方の特徴をあわせ持ったものよりも、「この場合には粘着剤、ここには接着剤」と、それぞれの特徴を活かした使い分けがされているようです。
なお、英語では、ともにadhesiveで、特に粘着剤を強調する時にpressure-sensitive adhesive (感圧性接着剤)と呼んでいます。
ガムテープは粘着テープ?
引越しなどに欠かせない荷造り用粘着テープを「ガムテープ」と呼ぶことがありますが、実はガムテープは粘着テープではなく、接着テープです。そのままではサラサラしていて、水に濡らすと接着力が出るテープです。