CAREER MODEL
失敗を恐れず、
海外事業や新規事業開発に
挑むことで自分の道を拓く
ことができた。

CAREER MODEL

全社技術部門 新規事業本部
グリーントランスフォーメーション事業推進部
部長
2008年キャリア入社

※インタビュー内容、役職、所属は取材当時のものです。

2008

Nittoに転職。リーダーとして半導体封止樹脂の開発を担当。

2011

日東ヨーロッパに異動し、半導体や自動車のマーケティングを担当。

2015

帰国して自動車部門の開発部長に。国内外の複数の拠点を管轄する。

2023

全社技術部門に所属し、環境貢献技術の新規事業立ち上げに挑む。

2008年〜

▶︎ CAREER. 01

折と上司からの助言が
キャリア転換のきっかけに。

前職では家電製品のモーターに使われる樹脂部品の開発者として、主業務である製品開発に加えて、顧客対応や量産立ち上げ、品質保証にも携わりました。事業全体を学ぶことができましたが、開発業務に集中できる環境で力を発揮したい気持ちが強くなり転職を決意。Nittoは製造や品質保証などの役割が分かれていたため、開発職としてキャリアが積めることが一番の決め手になりました。
転職後は半導体封止樹脂の開発のリーダーとしてチームマネジネントを担い、国際学会での発表も経験。念願の開発に注力できたものの、競合他社とのコンペで思ったような成果を残すことができず、初めて挫折を味わいました。そんなとき、当時の部門長より「海外でマーケティングをしてみたらどうか」と声をかけてもらったのです。これまで開発以外の仕事はイメージできていませんでしたが、元々戦略や戦術を考えることが好きだったことや、海外売上比率の高いNittoでキャリア形成をするなら一度はチャレンジしてみたいという想いで決断。それから現在に至るまでの13年間、新規事業開発とマーケティング分野を歩むきっかけになった大きな出来事でした。

CAREER. 01

2011年〜

▶︎ CAREER. 02

間100面談の目標を掲げ
海外ビジネススキルを体得。

マーケティング担当として日東ヨーロッパ(ベルギー)に異動しました。私はICT製品を中心に半導体や自動車分野などの技術動向調査、顧客ニーズ調査、新製品の企画、新規事業の仮説検証を実施。これまで実績のない新しい領域で新規顧客のアポイントを取ることからスタートし、マーケットインとシーズアウトの両方の観点から新規事業のアプローチを進めました。しかし、1年目は「ビジネス英語が話せない」「顧客分野の専門知識がない」「自社技術の専門知識がない」の三重苦の状態だったため、面談でお客様を失望させることも……。そこで年間100面談の目標を自身に課して3年で300面談、300フライトを達成。ドイツ、フランス、イタリア、ベルギー、モロッコなど各国で異なる商習慣や国民性を学び、グローバルな視野とスキルを手にしました。タイミングよく顧客ニーズに合致した技術提案をできたことでEV関連部材をはじめ、数テーマが新製品開発につながり、自ら提案した製品がお客様に役立ち、会社の売上げや利益を生み出す醍醐味を感じることができました。

CAREER. 02

2015年〜

▶︎ CAREER. 03

動車部門の開発部長
として経営視点を養う。

3年間の海外勤務を経て日本に戻ったのは2015年。当時は自動運転の市場拡大が注目されて世界有数の大手エレクトロニクス企業が次々と新規参入を表明するなか、Nittoでもカーエレクトロニクス分野の強化を目的に専門部署が新設されました。お客様の困りごとを聞き、すぐに実験室で試作品を作り1週間以内にお客様の課題を解決する提案をすることで「まるでマジックのようですね」と褒められた出来事は、特に印象に残っています。逆に億単位の投資をしたものの、売上げが伸びずに撤退という悔しい経験もしましたが、しっかりと失敗の原因をレビューすることで結果だけを責められることはなく、また次のチャンスを与えてもらえたことでチャレンジする人を応援するNittoの懐の深さを改めて実感しました。
最終的には国内外6拠点のエンジニア約150人をマネージメントし、戦略策定、知財戦略、人財マネジメントなど開発業務全般を担当。大きな裁量を与えられて製品の企画から提案、生産設備の構築、新製品開発に携わりました。さらに事業部門会議、予算会議などに参加することで得た部門経営や予算策定、経営レベルの意思決定プロセス、組織編成などのスキルは今の仕事にも役立っています。

CAREER. 03

現在

▶︎ CAREER. 04

球環境の未来を担う
GXの新規事業に挑む。

現在は全社技術部門の新規事業本部に所属し、グリーントランスフォーメーション(GX)事業推進部を担当しています。GXとは様々な環境問題を先進技術により解決する2050年カーボンニュートラル実現に不可欠な取り組み。私は環境貢献技術の新規事業立ち上げに邁進していますが、そのひとつが「膜モジュール化技術」「高分子設計技術」「塗工技術」というコア技術の融合により、工場の排気ガスからCO2のみを通す「CO2分離膜」です。長年の研究開発を経てようやく量産体制を確立した段階で、今後の事業柱として期待が寄せられています。マーケット規模が大きく、地球環境にも貢献できる本事業を軌道に乗せることが当面の目標です。
新規事業は1000回チャレンジして3つしか成功しない「千三つ(せんみつ)」と言われており、あらゆるリスクを予見してすべてを回避しなければ成果を上げることができません。また、自ら意思決定を行う重大な責務も担いますが、どんな局面でも積極的に挑んで会社や世の中に恩返しをしたいと思います。

CAREER. 04

これまでのキャリアを
振り返って

アスリートにとって体の土台となる体幹を鍛えることはとても重要です。新規事業開発者である私は、若いうちに大きな裁量を与えられて身についた「意思決定力」、海外でのビジネス経験を通じて体得した「国際的な商習慣」、経営幹部として養った方針策定、予算策定、組織編成をはじめとする「幅広い経営スキル」の3つの体幹を培ってきました。また、数々の挫折や失敗を経験する中で目の前の課題に真摯に向き合い、多くの学びを得られたと思います。開発から新規事業開発・マーケティングへとキャリア転換し、自分の能力を発揮できたのはNittoだからこそ。安定した経営基盤と資金力をバックボーンに失敗を恐れず、多彩にチャレンジすることで今のポジションを手にしました。「Nittoは大きなベンチャー企業」と聞いていましたが、まさにその通りの会社であると改めて感じています。