必要がなくなると、つかなくなる粘着テープ
必要がなくなると、つかなくなる粘着テープ剥がす技術も、粘着テープメーカーの腕の見せ所です。
剥がしたい時に粘着力そのものをなくしてしまう方法
私たちが粘着テープを剥がしたい時は、手でひっぱって剥がしますが、剥がしたい時に粘着力そのものをなくしてしまう方法もあります。「必要な時にはしっかり貼り付いて、剥がしたい時にはパラリと剥がれる」という便利な粘着テープです。主に使われているのは、電子部品の製造工程です。
電子部品をつくる工程では、粘着テープに電子部品を載せて搬送・加工することがあります。作業中にはきちんと固定するため粘着力が必要ですが、それが終われば、今度はテープを剥がす必要があります。しかし、ウエハなどは非常に薄いため、剥がす時に破損や傷がつくおそれがあります。また、小さく切断されているため、1つひとつを剥がすのは手間がかかる場合もあります。そこで、剥がす時には粘着力がなくなる粘着テープが使われているのです。
現在、粘着力をなくす主な方法には、次のものがあります
1. 紫外線
「紫外線が当たると粘着剤を硬化させる物質」を、あらかじめ粘着剤の中に入れておきます。剥がしたい時に紫外線を当てると、粘着剤が硬化収縮して剥がれる仕組みになっています。さらに、紫外線によって粘着剤界面に窒素ガスが出て、自ら剥がれようとする製品も開発されています。
2. 熱
「高熱を加えると膨らむ物質」を、あらかじめ粘着剤の中に入れています。加熱するとこの物質が膨らみ粘着剤表面が凹凸になることで、接着面積が減少して剥がれる仕組みになっています。
3. 水
「剥がす方法(物に貼った場合)」で紹介したように、水分を与えると粘着剤がゼリー状になって剥がれるテープです。家庭用の両面テープで製品化されています。
剥がす技術も、粘着テープメーカーの腕の見せ所です。