ブックタイトルNittoグループ統合報告書2019
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Nittoグループ統合報告書2019
売上収益構成比3.1%売上収益構成比3.6%戦略液晶ディスプレイ(LCD)に加え、有機ELディスプレイ(OLED)の大型化に合わせて、視認性向上のための反射防止用偏光板の大型化を進めるなど、市場への対応を強化しています。また、モバイルディスプレイのフルアクティブ化や異形化に対応するため、加工精度の向上に取り組んでいます。さらにOLEDではフレキシブル化が進んでおり、湾曲や折れ曲がるディスプレイへの追従性などこれまでにない要望に応えられる製品開発を行っています。自動車業界では計器などのディスプレイ化が進み、大型ディスプレイが採用されており、偏光板にも非常に高い耐久性が求められます。加えて車内の意匠性の高まりを受けて、これまでにない形状の偏光板も求められており、これらの要望に応える製品開発にも注力しています。さらに、偏光板以外のディスプレイ周辺光学フィルムも開発し、幅広いお客様へ価値提供を行っています。プリント回路では、金属ベースに感光性ポリイミドとセミアディティブ銅メッキ法で形成する高精度基板の、ハードディスクドライブ(HDD)市場以外への展開を試みています。また、低誘電多孔ポリイミド材料では、高速通信の5G市場が立ち上がる際に必要となる回路基板の開発に取り組んでおり、量産準備態勢に入っています。半導体分野では、NANDフラッシュメモリ向けに新規プロセスが採用され、そのプロセス向けの接着フィルムを開発したほか、使用されるプロセス材料の開発も完了し、売上げが拡大しました。LED分野においては、屋内用ディスプレイ向けに、高耐熱性、高耐光性を有した樹脂を開発しました。今後の市場拡大が期待できます。高血圧症を対象として開発した経皮吸収型テープ製剤が、頻脈性心房細動にも適用されることになりました。核酸医薬の創薬事業においては、肺線維症の治験に取り組み始めました。また、KRAS変異がんを対象としたsiRNA製剤も米国FDA(食品医薬品局)より臨床試験実施を許可され、治験第1相試験を進めています。なお、核酸医薬の受託製造事業において、前年度に生じたお客様の新薬開発状況の変化による影響を受けましたが、核酸医薬の新薬開発や治験は活発に推移しており、受託製造事業は引き続き拡大傾向にあります。以上の結果、売上収益は299億5千8百万円(17.2%減)、営業利益は19億2千万円(67.6%減)となりました。経営成績2017年度2018年度36,18329,958020,00040,000売上収益の推移30,00010,000(百万円)経営成績2017年度2018年度25,279 26,326020,00040,000売上収益の推移30,00010,000(百万円)セグメント別情報研究開発活動メンブレン(高分子分離膜)では、海水淡水化を含む各種産業用途の水処理プラント向けの需要に対応し好調でした。なお、当セグメントには未だ十分な売上収益を伴っていない新規事業が含まれています。以上の結果、売上収益は263億2千6百万円(4.1%増)、営業損失は19億7千万円(前年度は営業損失1億9千2百万円)となりました。対処すべき課題メンブレン(高分子分離膜)では、生産プロセスの自動化をはじめとする合理化を進めるとともに、事業基盤の強化に取り組みます。また、高い成長が期待される市場での事業拡大により、収益性向上を図ります。新規事業では、プラスチック光ケーブルをはじめ、開発中案件の一刻も早い量産化を目指します。研究開発活動メンブレン(高分子分離膜)では、海水淡水化、超純水用途向けの需要に対応したことにより売上は順調に増加しました。かん水脱塩用途向けの新製品も南アジアの大型プロジェクトに採用され、売上拡大に貢献できました。水環境の違いにより、お客様の水処理プラントに対する要望もさまざまです。今後も各地域の需要に応えられる製品の開発を通じて売上拡大に努めます。また、廃水再利用に向けた新製品の市場投入により、循環型社会の実現に貢献していきます。その他主要製品:高分子分離膜、その他製品研究開発活動ライフサイエンス主要製品:医療関連材料核酸医薬の受託製造事業では、グローバルに開発が活発化しており、お客様の要望への対応を着実に進めています。医薬品関連では、高血圧症を対象として開発した経皮吸収型テープ製剤が頻脈性心房細動にも適用されることになり、経皮吸収型統合失調症薬は国内臨床第3相試験結果をもとに審査当局への申請を完了しました。医療衛生材料では社内の他事業部門との協業により、新しい市場や地域への展開を推進しています。対処すべき課題新薬承認と治験件数が増加している核酸医薬分野において、新規顧客開拓を強化し受託製造事業のシェアを拡大するとともに、創薬事業では、線維症および難治性がん治療薬領域で研究開発と治験を推進し、新たな事業の柱として育てていきます。37 Nitto Group Integrated Report 2019 38