Nitto グループレポート 2018
16/44

Nitto Group Report 201815環境経営ESG課題②Nittoグループは経営と一体化した環境活動を推進するために、グループのみならず各事業部でも環境目標を設定し、着実な達成に向けて邁進しています。従来の基準では投資が難しかった最新鋭の設備導入や技術開発のため、新たに環境ファンドを設置し、2017年度はNitto豊橋事業所に高効率溶剤回収設備およびトルエンの排気処理設備を、滋賀事業所に高度排水浄化システムを導入するなど環境対策を強化しました。また、水の循環利用や光触媒による空気清浄など自社製品を活用した新しい技術・製品の実証を重ねています。気候変動対策Nittoグループは気候変動対策として、主にCO2排出量削減と代替フロン(HCFC)の使用削減に取り組んでいます。NittoグループのCO2排出量は、生産工程におけるエネルギー使用と廃棄物および溶剤の燃焼に由来しており、再生可能エネルギーやコージェネレーションシステム(熱電供給)などの導入による省エネ戦略により、2017年度は829,868tonとなり、減少傾向にあります。また、モントリオール議定書に従い、この2年間で代替フロン使用機器をグループ全体で約10%撤廃しました。2020年度までに日本、台湾、米国、欧州エリアで、2030年度までにすべての拠点で全廃を目指します。あわせて、キガリ協定に基づく地球温暖化係数の低い冷媒を使用した機器を積極的に選定していきます。■環境中長期目標目標中期長期CO2排出量 805,000 ton/年(2019年度) 730,000 ton/年 (2025年度)トルエン大気排出量(単体)200 ton/年 (2020年度) −廃棄物削減 原単位3%減 (前年度比)原単位21%減 (2025年度/2015年度比)資源枯渇対策Nittoグループは2018年度から、3R(Reduce、Reuse、Recycle)視点で2025年度までに、2015年度比21%(原単位、毎年前年度比3%減を目標)の廃棄物削減に取り組みます。またマテリアルフローコスト会計(MFCA※)による経済効果にも注視し、廃プラスチック、有機溶剤、製造用薬剤などのリサイクルを積極的に進め資源の有効活用を図ります。※MFCA: 環境会計手法の1つで、製品に関わる資源やエネルギーのロスに着目し、ムダを可視化することができる。水危機対策事業活動に水資源の利用は欠かせません。水使用の多い生産工程では、自社のメンブレン製品などを活用した水の再利用により使用量削減を図っています。Nitto滋賀事業所においては、今後5年間で「循環型グリーン工場」として水の再利用率を50%から90%に向上させることを計画しています。生物多様性の減少対策(有害化学物質対策)事業活動による生物への影響を最小限に留めるために、化学物質の適正な管理に加え大気排出量の削減に取り組んでおり、特に、Nittoにおけるトルエンの大気排出量は2020年度までに200ton/年とすることを目標に掲げています。2017年度は、化学物質を多く使用する豊橋事業所を重点に、漏れ対策やより環境負荷の少ない化学物質への切り替えを進め、前年度より313tonを削減でき、結果277ton/年となりました。◎気候変動・地球温暖化・異常気象◎水危機◎資源枯渇・ エネルギー 資源の枯渇・ 廃棄物の増加◎生物多様性 の減少・ 有害化学 物質の使用Nittoグループは、環境基本方針に「豊かな地球を次世代に」を謳います。事業活動が地球環境に与える4つのリスクを自覚し、それぞれの対策に取り組むとともに、…自らの経験を活かし環境保全に貢献できるようなソリューションを社会に提案していきます。■Nittoグループの事業活動に伴う環境リスク

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る