Nittoグループレポート2017
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32Nitto Group Report 2017環境への取組み地域はもとより地球規模までの環境に配慮し、誠実に環境負荷低減に努めます。環境負荷の低減Nittoグループの事業活動では多くの化学物質を使用するため、環境への影響が懸念されます。例えば、有機溶剤は粘着テープの製造過程で気化し、無害化処理を行っても微量の有機溶剤ガスが大気中に排出されます。化学物質以外にも、生産に伴い多くのエネルギー、原材料および水を使用し、CO2排出や廃棄物、排水による環境への悪影響も懸念材料となります。これらを受けて、Nittoグループは「気候変動、資源枯渇、水危機、生物多様性の減少への対応」を重要課題と位置付け、中長期計画ではCO2排出量およびトルエン大気排出量、廃棄物排出量の削減目標を設定し、その実現を目指しています。その他の環境負荷物質についても、各国法令などを遵守するだけでなく、これまでもPRTR※1対象物質などの大気排出量削減を図ってきました。要求される基準より厳しい社内基準を定め自主的な管理に努めています。※1PRTR:Pollutant Release and Transfer Registerの略。化学物質排出移動量届出制度。地球温暖化対策地球温暖化対策として工程・装置の省エネを進めています。エネルギー使用量が多い主要拠点では、「エネルギー見える化システム」導入により詳細なモニタリングが可能となりました。これにより、エネルギー削減を要する装置・製造工程を特定すること、改善による削減効果の確認が容易になりました。また、これまで一部国内拠点に導入しているコージェネレーションシステム※2を、2016年度新たに欧州グループ会社にも導入したことで、エネルギーの効率的な利用が可能になり1,400ton/年規模のCO2削減が見込まれています。その他、モントリオール議定書で採択された特定フロンの生産停止を受け、Nittoグループでは、2016年度特定フロン機器自体を全廃する方針を掲げました。日本、台湾、米国、欧州エリアは2020年までに、その他グループ会社では2030年までに特定フロン機器を全廃します。すでにグループ全体の使用状況を把握し、計画的な機器更新を開始しました。今後もグループで情報を共有しつつ、地球温暖化対策を進めていきます。廃棄物削減Nittoグループは、マテリアルフローコスト会計(MFCA※3)を推進しています。原材料やエネルギーロスを見える化し、ムダな資源の削減を図る環境管理手法ですが、私たちは「まてふろ」と呼び、廃棄物削減に活用しています。サプライチェーンの実践に関するMFCA国際標準化において主導的な役割を果たし、2017年3月のISO14052の発行に貢献しました。サプライチェーンを含めた組織へのMFCA導入が期待されています。その他、危険廃棄物は、社外で適正な処理を行うとともにその処理方法などについてグループ内で情報を共有しています。資源の有効活用ディスプレイや電子デバイスの製造工程で発生する排水は、適切に処理して放流するだけでなく、自社メンブレン製品を活用するなどして社内リサイクルを行い、資源を有効活用しています。※2コージェネレーションシステム:石油やガスなどを燃料として発電した際に生じる廃熱を同時に回収するシステム(熱電併給)。※3MFCA:Material Flow Cost Accountingの略。環境会計手法の一つで、製品に関わる資源やエネルギーのロスに着目し、物的・金銭的両面からムダを可視化することができる。MFCAは、2011年にISO国際標準化(ISO14051)された。

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